有限会社 ヒューマンリンク

 

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2021年 2月号

日本型福祉からの脱却を


 日本のホームヘルパー制度は、1956年長野県の「家庭養護婦派遣事業」が初めで、自治体単独事業の福祉サービスとして創設されました。長野県では障害者も派遣対象としていたようですが、‘62年ホームヘルパー派遣事業が国庫補助事業化する際には、財政的な理由で障害者施策としてよりも、老人施策が優先されました。 しかし、‘76年には、対象別のホームヘルパー制度の予算化は海外に例がなく、老人・身体障害者・心身障害児を対象とした統合が施策化され、以降ホームヘルパーの派遣対象は拡大されました。 そして2000年。介護保険制度におけるホームヘルパーでは、訪問介護という名に変えて又もや高齢者のみを対象としました。‘03年の支援費制度、‘12年障害者総合支援法で64歳以下の障害者を対象としたヘルパーサービスが居宅介護やガイドヘルパーという形で実施されています。

  分けたり統合したりしてきたホームヘルプサービスですが、介護職の人材不足という事から、介護職のキャリアパス(ゴールの道筋)の一本化、研修の一本化で又もや統合に向かっています。法律でも介護福祉士の役割として「…介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(中略)を行い…」(社会福祉士及び介護福祉士法)とあります。 従来のホームヘルパー2級研修は介護職員初任者研修、ホームヘルパー1級研修と介護職員基礎研修は実務者研修に一本化されました。そして目指すのは介護福祉士→認定介護福祉士というコースになっています。従来のホームヘルパー研修はあくまでも介護保険制度の中での高齢者を対象とした訪問介護員向けの研修ですが、介護職員初任者研修は高齢・障害と対象は区別せず、施設・在宅の区別もありません。

 長い間、日本の公的な介護施策は施設サービス、在宅介護は長男の嫁をはじめとした家庭での私的行為とされてきました。しかし核家族化、女性の職場進出などを契機に介護の社会化の必要性が叫ばれ、介護保険等に繋がったのですが、その費用はあくまでも女性の家計補助的報酬を目安とされて、低く抑えられてきました。それを改善すべく様々な加算制度を作りましたが、根本的な改善には至っていません。総合事業等という形で地域での支援活動、ボランティアを期待した施策は、農耕社会ならいざ知らず、高度に経済発達して既に崩壊した地域社会では望むべくもないでしょう。(最後の世間的行事と思われた葬儀すら、殆ど個人的営みとなっています。)

 コロナ渦中、経営的にも困難が続きますが、ヒューマンリンクでは新しく研修事業を軸とした新しい取り組みを企画しています。ご協力のほどよろしくお願いします。


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