有限会社 ヒューマンリンク

 

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2018年 11月号

介護の生産性向上?


 「なんのために生まれて なにをして生きるのか こたえられないなんて そんなのは いやだ!」

 ご存知アンパンマンのマーチです。 昨今、「介護の生産性」ということがよく語られます。その言葉を聞くたびにこのテーマが頭に浮かび、「違和感」を感じるのは私だけでしょうか。
 世の仕事には様々な分野があります。無駄な経費を省いて、合理的にモノを生産する。経済や財政の分野では一見正しいように思われるこの言葉を、介護の世界に当てはめるのに無理はないのでしょうか。まず、介護でいったい何を生産するというのか。敢えて当てはめれば「人の日常生活における心身の平穏と安静」とでもいうモノでしょうか。また、生きがいや生きる意味を見つけるための支援も含まれるかもしれません。
 私は仕事として介護、障害者福祉の世界に入るまではトラックの運転手をしていました。30年近く前ですが、当時は「介護業界」という言葉すら聞くことはなく、民間で関われる制度 としては無認可作業所のみでした。「障害を持っていても、普通の人と同じように地域で生活をさせてあげたい」という障害者の親や、当事者の思いにほだされて転職したのですが、そこで求めていたのは収入や財政的保障ではなく(最低保障してほしいとはお願いしましたが)生きる意味や、生きがいだったように思います。
 介護保険ができ、障害福祉サービスも整備され、国が様々な業界からの参入を推し進めていることに反対するわけではないのですが、単に財政的な利殖目的でいいのかなあと思う今日この頃です。似た分野で医療や教育がありますが、生産性といった言葉は使われていないように思います。介護や福祉が「生産人口」「生産世代」といわれるところから外れているということからだとすれば、国の施策と障害者施設で「生産性がない」といって殺人事件を起こした加害者と考え方は同じということではないでしょうか。

 「今を生きることで あつい心 燃える  だから 君は いくんだ ほほえんで…」


 


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