2018年 8月号
共生型サービスのあり方について
今年介護保険と障害福祉サービス等についての制度改定が行われました。(有)ヒューマンリンクにとって影響が大きい事を上げますと
@ 居宅介護サービスの区分を指し示す「老計10号」の見直し
A 介護保険と障害福祉サービスの併用事業所の奨励 があります。
@ は、介護保険における「見守り的援助」の内容がより詳しく提示されています。
国は2025年の高齢者率のピーク時に向けて、介護財源と人材の確保を最大の目標にしています。内容的には「家事代行」にあたる家事援助(生活支援)を介護保険から省き「有償ボランティア」や様々な保険外サービスに移行させて、介護保険支出の節約をすること。また、ほぼ全額公費サービスである障害福祉サービスの介護保険へのスムーズな移行(65歳を過ぎれば介護保険優先)も大切な狙いとなっています。
しかし、家事援助の中には単なる家事代行では収まらない、本人のADLの向上、自立、生きがいづくりに大切な要素があります。その分は家事代行としての家事援助ではなく、身体介護の「見守り的援助」サービスとして実施してほしいということです。具体的には洗濯や掃除、炊事の際、利用者に手伝ってもらうという形をとってでも「一緒にする」ということを目標にするということです。
得てして家事が得意で上手な人に限って「自分でやった方が早い」と、子育ての時でもついつい子供にさせないことが多いといいます。そのことは決して子どもの自立にはつながっていないことはよく経験済みだろうと思います。「相手と一緒にする」というのは実は一番むつかしいことかもしれませんが、当事者の自立のためには必要なことです。是非挑戦してみてください。
A は、(有)ヒューマンリンクの訪問介護サービスはすでに両制度の併用になっています。 ここで、制度外サービスのおさらいをすると、
1) 上だしサービス 制度内サービスの限度(時間)を超えて実施する場合。これはただ利用者の要介護度による限度額を超えているというだけのことなので、利用者負担は1割もしくは2割から10割負担になるということです。その10割負担が高額だからと言って、その分を制度より低い単価で(アテンダント料金等)実施することは公的サービスの性格上認められないことになります。
2) 横出しサービス 制度上は認められていないサービスのことです。具体的には大掃除にあたる掃除や墓参りや旅行の付きそいなどの外出支援などです。(障害福祉サービスには外出支援は含まれます。)
どちらもヒューマンリンクでは保険外サービスとして実施していますが、中身が違うことを理解しておいてください。