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2018年 4月号

私たちこそ地域の要


 2014年(平成26年)国の患者調査によると、わが国で精神疾患を有する者は約392万人とされています。人口を1億2700万人とすれば、約30人に1人は精神疾患に罹患しているということになります。2013年(平成25年)の障害者白書では、わが国の障害者数約740万人のうち身体障害者366.3万人、知的障害者54.1万人に対して精障害者320.1万人。施設入所者は身体障害者が8.7万人、知的障害者12.8万人に対して精神障害者の入院者数は32.3万人となっています。入院期間でみると、10年以上の入院患者は未だ6万5000人もいます。その内訳で最も多いのは統合失調症ということですが、最近はアルツハイマーなどの認知症患者が増えているということです。
 厚生労働省はすでに2006年(平成16年)には「こころのバリアフリー宣言」で「生涯を通じて5人に1人は精神疾患にかかる」と発表していますが、2011年それまで重点的に取り組んできた従来の「4大疾病」(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病)に加えて、新たに精神疾患を加えて「5大疾病」としました。

 すでに他人事ではなくなった精神疾患ですが、「精神障害者」とレッテルを張られると他の障害以上に「自分とは違う」と受け取られているようです。病院や施設を退所して「地域で生きる」とは言っても、近所づきあいがあるわけでもなく、グループホーム等の「地域の施設」で暮らしており、入院、退院の繰り返しというのが実情です。長期入院、入所による親や親族の高齢化が大きく影響しているようです。本当は障害者も含めた地域社会が必要なのですが、レスパイトサービスなど家族・支援者に対するケアや配慮もなく本当に疲れているのが現状です。
 そもそも介護は個人の問題、「成人男子は生産労働、子供(3歳までは母親がみるべきだという3歳児神話)や障害者、高齢者など手のかかる者は扶養家族として女性、特に長男の嫁が世話をする」という「日本型介護システム」の歪み、限界がきたように思われます。ですから、私たち介護事業者だけで到底解決するものではありません。
 しかし、介護を軸とした地域生活の夜明けはマダマダですが、こんな時こそ地域社会の要であることを自覚して、力を活かして共生社会を目指してみたいと思います。

 


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