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2017年 7月号

平成28年 差別解消3法の施行


 昨年、「差別解消法」と言われる三つの法律が施行されました。国連での障害者人権条約の批准に関連して、一番注目されているのが4月1日施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。 この法律に書いてある「障害者」とは、障害者手帳を持っている人のことだけではありません。身体障害のある人、知的障害のある人、精神障害のある人(発達障害のある人も含む。)その他の心や体の働きに障害や社会の中にあるバリアによって、日常生活や社会生活に相当な制限をうけている人すべてが対象となります。内容は「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮」であるとされています。
 私が疑問なのは、介護保険法と障害福祉サービスの関係です。両サービスは、実はさほど変わらないのですが、介護保険には初めから社会参加は謳われず、そのためのガイドヘルパー等がないのが一番の違いです。また、とりわけ利用料では現障害福祉サービス前の制度であった支援費サービスで介護保険の一律1割負担(昨年から1部2割負担)と同じようにしようとして、大きな反対運動がおこり、政権交代の1要因にもなりました。障害者の対象が必ずしも手帳の有無ではないとするならば、明らかな差別扱いだと思いますが、いかがでしょうか?
 もう一つは6月3日施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組みの推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)です。この法律は、外国人に対する不当な差別的言動の解消が差し迫った課題であることから、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、これを推進しようとするものです。   
 更に、12月16日「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。同和問題の解決を図るため、国は地方自治体と共に、昭和44年(1969年)以来33年間平成14年(2002年)まで、特別措置法に基づき、地域改善対策を行ってきました。その結果、同和地区の劣悪な環境に対する物的な基盤整備は着実に成果を上げ、一般地区との格差は大きく改善されました。しかしながら、昨年まで直接差別を解消したり禁止する法律はなく、差別発言、差別待遇等の事案の他、差別的な内容の文書が送付されたりする事案が依然として存在するほか、インターネット上で差別を助長するような内容の書き込みがされるといった事案も発生しています。この法律を受けて、インターネットからの削除等の法的根拠ができました。 残念ながら、日本では「差別禁止法」はなく、あくまでも「差別解消法」で、民間には特段罰則はなく、努力義務でしかないのですが、今までそれすらなかった事を考えると、意味はあるのかと思われます。オリンピックを前にした国際的配慮だとは思いますが、これからはいかに内実を作 ってゆくかだと思います。


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