有限会社 ヒューマンリンク

 

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2017年 4月号

今こそ「買い手よし、売り手よし、世間よし」の三方よしを目指して


 今、介護予防・日常生活支援総合事業の施行に当たって、巷での議論が混乱しているように思います。責任は国にあるといってしまえばそうなんですが、実際に介護を必要とされている方や事業所にとっては大変な話です。そこで、私なりに問題を整理してみました。

1)介護予防・日常生活支援総合事業への公金支出は憲法違反?
 あまり知られていませんが、日本国憲法第89条では「公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため、または公の支配に属しない慈善、教育もしくは博愛の事業に対し、これを支出し、またはその利用に供してはならない。」とあります。一見「民間企業や団体に公金を出すのは憲法違反?」と思ってしまいますが、よく読むと「公の支配に属しない」と書いてあるので、公が示す基準にのっとっていれば支配に属することになり、民間であっても問題はないと解釈できます。要はコンプライアンスの問題だということです。たとえ営利企業である株式会社や有限会社でも、厳しい基準のもと行政の指導を受けている介護保険事業者は問題ないのですが、問題は今「生活支援=家事援助」に関してはその基準に該当しないボランティア団体などに事業を任せる動きになっていることです。
 ボランティアの四原則は「自主性・無償性・社会性・先駆性」と言われます。ということは初めから公の支配に属さないことが前提ですので、公金を供することはできないのです。つまり、公金を給付せずに利用者と民間のサービス提供者で自由に契約してください。ということです。「これは公共施策としての予防・生活援助はしませんよ」と言っているのと同じです。

2)これからは、「買い手よし、売り手よし、世間よし」の「三方よし」が大切
 介護保険が始まった時点で、従来「社会福祉法人」など限られた法人にしか認められなかった介護・福祉事業が、会社法人つまり営利法人にも門戸が開かれることになりました。おかげで膨大な介護労働者が生まれ、将来的な超高齢化社会に対応する準備ができてきました。問題は営利、つまり利益の分配を目的とする法人が、他社を蹴落とし自らの利益追求だけを目的としない公益的な組織へと成長することです。そこでは高度なバランス感覚と、近江商人が身上としたという「買い手よし、売り手よし、世間よし」の「三方よし」の考え方が大切になります。もちろん、会社の利益を上げることは大切ですが、お客様や世間がよくなることを同時に考えるということです。

 


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