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2016年 11月号

ダブルスタンダードをどこまで?


 全国的に来年4月からは介護保険の要支援事業が、市町村による地域包括支援事業に移行することが決まっています。従来と全く同じ料金で実施しているところもあれば、従来の7〜8割程度の報酬で実施しているところもあるようです。全国的には全く新しく市町村単位の要件を作り、すでに実施しているところもあります。河内長野市、富田林市、大阪狭山市では具体的な動きはありません。新しい動きと言えば富田林市社会福祉協議会の「ワンコインサービス」くらいです。本格的に新しい要件(市町村によるヘルパー研修など)を作るといってももう間に合いませんから、従来通りの介護サービスに多少手を加える程度だろうとみています。どちらにしろ困るのは利用者なので、できるだけ早く方針を示してほしいところです。

 国の考え方からすると、「介護保険制度などの専門性の高いサービスを受けるのは要介護度が1以上の人で、そこまでいかないが生活に困っている要支援の人は隣近所や地域の助け合い、有償ボランティアなどを利用してください…」ということです。

  介護保険がまだなくて介護が必要だとすると国の措置を受けるという時代、有償ボランティアというのが流行ったことがあります。介護保険ができて様々な民間事業者が出てきてからは有償ボランティアの担い手は介護労働者になってゆきました。 「サービスの提供者と受け手という関係性が嫌だ」ということで、ボランティアにこだわっている人もいるでしょう。また、「4人に一人が高齢者という時代になって、地域全体で支えなければ…。」ということもよく分かります。ボランティアや地域の助け合いを否定する気は毛頭ないのですが、それをあてにした施策というのが疑問です。

 そもそも「助け合い」や「つながり・きずな」というのはむつかしいもので、一つ間違えば「もたれ合い」や「しがらみ・ほだし」といった排他的な関係になりかねません。対等な関係、困ったときはお互いさまといっても、介護を受ける立場と提供する立場になれば弱者・強者の立場になりがちです。受ける側からすると遠慮しすぎても失礼だし、しなければずうずうしいと思われます。「煩わしいから現金で割り切れる専門の事業者に…」というのが本音ではないでしょうか。

 「地域や近所の付き合い」といえば世間ですが、世間の掟というのは「長幼の序」「贈与互酬」「時間の共有感」といわれます。その掟さえ守っておれば、確かに暖かく守ってもらえます。しかし、この掟に背けば「村八分」、仲間はずれの目にあわされます。そこでは子供も大人も変わらない世界があるのです。もちろん本音の世界で、建前は装えますが… 。


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