有限会社 ヒューマンリンク

 

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2015年 11月号

訪問介護の利用者になりました


 95歳になる父親がヘルパー制度を利用しだして2年になりますが、いろんなことが変わりました。以前は足も丈夫で、自分でリュックを背負って買い物に行ったり、公民館に囲碁を打ちに行ったりしていたのですが、誤嚥性肺炎で入院して以来足が不如意になりヘルパーに来てもらうようになりました。
 変わったのは先ず第一に、一日の予定をはっきり決めなければならなくなったことです。血液型はA型で、割と予定を決めるほうでしたが、それでも野球観戦等で遅くなって夜中(21:00〜)に食事したりしていたのですが、ヘルパーの訪問時間に合わせることが必要になりました。
 次に変わったのは、今まで以上に服装を変えるようになりました。行動範囲は減っても、パジャマと昼着は毎日変えます。ヘルパーといえば身内ではないので、さすがにシャツとステテコ、腹巻だけというわけにはいきません。
 他には、新聞の取り入れ、キャベツの千切り、トーストと目玉焼き、好きなときにコーヒーを飲むなどの毎朝の行事が自分では出来なくなったので、ヘルパーの訪問にあわせてまとめて頼む生活になりました。(もちろん家族も介助していますがいつもという訳にはいきません)食事は何でも食べますが、誤嚥性肺炎で入院したので多少配慮が必要となりました。造りと酒はさすがに量は減りましたが、欠かすことは出来ません。先日初めてショートステイを経験してもらいましたが、食事と酒がネックだということが良くわかりました。
 色々変わりましたし、これからも変わると思いますが、「他人に頼んで生きる」という生活にはコミュニケーション『力』がとても必要だと実感します。一日の大イベントである食事を満足するためには、刺身の切り方から豆腐の盛り付け方に至るまで他人に説明することが必要です。自分でする方がずっと簡単なんです。私たちは「ヘルパーさん」など他人に家の用事を頼むことには慣れていません。出来ないことが増えてやむなく頼むことになるわけです。夫婦・家族でも難しいのですが、「あ・うん」の呼吸では通じない他人との付き合い方にはある程度の経験と努力・工夫が必要です。
 考えてみると、ヘルパーの入門書はあっても、ヘルパー利用者、家族の入門書はあまり見当たりません。これから必要になるかもしれませんね。


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