有限会社 ヒューマンリンク

 

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2015年 8月号

人間関係にもメンテナンスを!


 ある医者(岡田クリニック院長 岡田尊司)に言わせると、人間関係というのは「愛着関係」と「連携関係」の二種類に分かれるといいます。親子関係、恋愛関係、夫婦関係等というのが愛着関係で、自治会、町会、PTA、同僚(会社)等というのが連携関係です。生きてゆくには安定した愛着関係というのが必須で、そこに問題があると精神に偏重をきたすこと0にもなりかねません。かといってそれだけでは社会生活、は成り立ちません。好き嫌いに関わらず、連携関係がないと社会生活は成り立たないし、そこで問題があるのも生きにくいことになります。
「知に働けば角が立つ、情に掉させば流される。ほんにこの世は生きにくい。」といった夏目漱石は、幼いころ里子に出されたりして愛着関係を上手く築けなくなり生涯生き辛さを抱えていたようです。川端康成や太宰治もそうだといいますから、有名人・著名人というのは何処か歪んでいる所があるのかもしれませんね。凡人である私にとっては安定した愛着関係と連携関係をスムーズに進めることが理想です。
 安定した愛着関係は、生まれて半年から一歳半の間の母子関係、特に抱っこが大切といいます。それも不特定多数ではなく、一人で良いのです。もちろん、その一人とは母親とは限りません、父親・祖母等であってもいいのです、掛け値なしに守ってくれる対象であるという事が大切です。また、抱っこが大切とはいっても過剰に引っ付く必要は無いのです。それは不可能ですし、かえって依存型になる可能性もあります。子供が必要としているときにいることが大切といいます。その程度が難しいんですがね…。この間に形成された形を原型として、18歳位までに形ができあがるそうです。
 最近よく「居場所づくり」という事が話題になりますが、本当は居場所が無いわけでは無くて、安全基地が無いんでしょうね。生きている以上何処かに居るわけですから。それは場所ではなくて写真や、記念品を持っているだけでもいいかもしれません。
 連携関係について言うと、ぜひ身につけてほしいのは協調性よりも社交性です。仕事や学習する上で、全ての人と協調するというのは不可能です。「私がこう思うんだから貴方も…」とそれを求めて傷つき、人間不信を深めるくらいなら、初めから「完全に協調するのは無理」と思って下さい。完全に協調することは無理と思えば、逆に「一致するところ、いい所もあるんだ…」と思えるときがあります。そのために、表面的でも良いので社交性を身につけ、社交的関係を作ってほしいのです。いつか相手のいい所が見えてくるかもしれません。何事も1か0の見方を改めるだけで世の中違って見えてきます。
 機械や道具と同じように、人間関係にもメンテナンスが必要です。よき関係を!
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