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2014年 10月号

言葉が無くても人と人とのかかわりは…


 今、重度の自閉症(日常会話や買い物ができない程度)の東田直樹氏著「自閉症の僕が跳びはねる理由」《潟Gスコアール出版部発行》が売れてます。自閉症の本人が書いた本としては過去にも読みましたが、まったく会話ができない重度の方の本は初めて読みました。
 実は、私が仕事としてはじめて関わった人たちは、日常会話がほぼ成り立たない5人の自閉症といわれる障害者でした。会話が成り立たないといっても、こちらが語ることを「理解?」してくれているのかなぁ?と思うこともあったのですが、返事や会話というのはありませんでした。
 「何度注意されてもわからないのですか?」という質問に「…『自分が何かしでかす→何か起こる→誰かに注意される』この場面が、自分が行動を起こしたことによって成り立つ原因と結果の一場面となって、強く頭の中に記憶されてしまいます。
 やってはいけないという理性よりも、その場面を再現したい気持ちのほうが大きくなって、つい同じことをやってしまうのです。…(しいてあげるのなら、ビデオで同じ場面を繰り返し再生することでしょうか)
 けれども、悪いことはしてはいけないのです。
 これを理性として、どうなおしていくのかが大きな問題です。…その時に必要なのが、周りにいる人の忍耐強い指導と愛情でしょう。…」と答えています。間違いなく周りの人の存在は意識しているようです。
 また、「みんなといるよりひとりが好きなのですか?」という問いに、「…人としてうまれてきたのにひとりぼっちが好きな人がいるなんて、僕には信じられません。
 僕たちは気にしているのです。自分のせいで他人に迷惑をかけていないか、いやな気持ちにさせていないか。そのために人といるのが辛くなって、ついひとりになろうとするのです。…」と答えます。
 なるほど…と思いませんか?
 ある宗教では、神が「はじめに言葉ありき」といったといいますが、絶対嘘ですね。言葉が発明される何万年も前から人類は地球上に生きているのですから…
 東田氏は「自閉人は言葉を扱う前の人類ではないでしょうか」といいます。ひょっとしたらそうかもしれません。人とのかかわりは深くて広いものですね。

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