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2014年 6月号

ボランティアを利用するのはいいけれど…


 5月14日、介護保険法の改正を含む「地域医療・介護総合確保推進法案」が衆院厚労委員会で可決されました。審議時間の多くは、予防給付の訪問介護・通所介護を地域支援事業に移行することについてだったようです。政府与党は「地域支援事業に移行することで、多様化が可能になり、ボランティアなどのサービスが利用できるようになる…。」ということで、予防介護に対する報酬を削減したいということが本音のようです。私は、「かわちながの市民公益活動推進委員会」の理事長もしていますが、その立場からも反対です。まず、ボランティア4原則に反した考え方で、ボランティアの参入を見込めないと思います。
 4原則とは @自主性 A無償性 B利他性 C補完性
@ 自主的自発的行為であること
 … やりたいことをやる。指示命令は困難
 介護はサービス。指示・命令が通る関係でこそ可能です。また、介護の基本は、食事・排泄・入浴の介護。頼むほうも頼まれるほうもそれなりに本音をさらけ出す「覚悟」が必要です。だから依頼する側は、国や制度、会社などによる信頼の裏づけがあってはじめて頼れるものですし、依頼されるほうも、報酬やトラブルに対する補償があって受けられるものです。
A 無償の行為であること…自主性を保障する為。
 ボランティアが無償だと言っても、プロのボランティアもあり、交換価値として安価というわけではありません。あくまでも報酬に基づく制約をさけるためです。
B 利他的・公益的行為であること …要支援者の中にはわがままな要望があるときも。
 公益活動を目的としたボランティアでどこまで個別要求に応じられるか疑問です。
C 先駆的・補完的行為であること …ボランティアはあくまでも行政的・公的施策に基づく就労による実施が困難か、対応仕切れない場合等に臨時的、補完的にとられる行為。
 行政が恒常的に当てにするのは大きな間違い。
 介護保険導入以前に、やむにやまれず様々なボランティアが要介護者の生活を支えましたが、制度が実施されて10年を超える今、以前のボランティアを上からの命令で実施しようというのは本末転倒と言わざるをえません。
 財政難、市民ニーズの多様化等で強力な政府によるトップダウン式の施策が行き詰まり、ボランティア等の下からの活動を行政が当てにしだして久しくなりますが、大変無理がある気がします。昔からの村落共同体にあった自治会・町会等の義務感に近い活動は、防火・防災等を除いては機能しなくなってきています。村八分(二分の火事と葬儀を除いてのけものにする事)すら成り立たないのです。それに変わってボランティアを当てにするのはいいのですが、安価に利用することだけを考えると、反って高くつきますよ。

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